2012年4月14日土曜日
ブレーンハッカー
デイビッド・コール マレイ
ブレーン・ハッカー 巨人の「肩」に乗れ!
アイデアを生み出す方法についての本です。
紹介されている方法論は、
以前紹介した『アイデアの作り方』とほぼ同じです。
本書では、豊富な事例を紹介しながら、詳しく解説してくれます。
以下、要約です。
『素晴らしい知恵』とは、実は『借り物』である。
しかも、それは現実に限ったものではなく、人類の歴史を通じての特徴なのである。
ニュートンやシェークスピアのような、過去の最も創造的な人々ですら、
アイデアを盗んだ、盗作だと非難された。
だが、それは驚くべきことではない。
アイデアは他のアイデアから生まれるものなので、盗作と独自性の境界は微妙だ。
実際、アイザック・ニュートンは、微分積分法の盗用で訴えられ、取り調べを受けた。
そして、彼は『私はさらに遠くを見るために、巨人の肩の上に乗った』と供述して、抗弁に成功した。
ニュートンは『他人のアイデアの上に、自分のアイデアを構築する』という、
当たり前のことをした罪を認めたのだ。
【1】 定義する
『解決しようとしている問題を定義する』
創造的なアイデアとは、『問題の解決策』を指す。
そして、問題の定義の仕方が、解決の仕方を決める。
範囲の広すぎる問題、あるいは狭すぎる問題を解決しようとすると、失敗する。
だから、『観察』などの手段で、できるだけ、問題を明確化し、
高次元の問題から低次元の問題へと『分類』する。
【2】 借りる
『似たような問題のあるところから、アイデアを借りる』
借りてくるアイデアは、解決策を構築するための『材料』だ。
問題の定義を利用して、似たような問題のあるところから材料を借りてくる。
最初は業界内の競合他社から、次には他業界から、そして最後にはビジネスの世界の外を見て、
科学、芸術、エンターテイメントといった分野から、問題解決の材料を借りてくる。
【3】 組み合わせる
『借りてきたアイデアを、結び付け、組み合わせる』
組み合わせることが創造の本質だ。
だから、第2のステップで借りてきた材料を使って、
新しいアイデアを構築するための適切な『メタファー』を見つける。
つまり、既存のアイデアを使って、メタファーを確立し、拡大し、
うまくいかなかったら捨てることで、新しいアイデアの枠組みを作る。
【4】 培養する
『組み合わせた材料を培養して、解決に導く』
組み合わせは、意識より潜在意識のほうが得意だ。
だから、作業をする時間を潜在意識に与え、意識を黙らせることが必要だ。
そうすれば、『潜在意識の話を聞く』ことができる。
意識を黙らせるには、次の手段が使える。
アイデアを一晩寝かせる、立ち止まって思考を脇にやり、誤解に耳を傾ける。
感情を利用する。
最も有効な思考が、『何も考えないこと』であることもしばしばある。
潜在意識に問題を覚えこませるために、繰り返し考える
【5】 識別する
『解決策の長所と短所を見分ける』
判断とは視点によるものだ。
直観も視点によるものだ。
肯定的、あるいは否定的判断を利用して、解決策を分析し、
アイデアの長所と短所を調べることによって、創造的な直感が生まれる。
【6】 育てる
『短所を排除し、長所を伸ばす』
アイデアは、試行錯誤による調整を経て進化する。
つまり、アイデアは『自己組織化』するのだ。
最初の5つのステップに戻って、アイデアの調整を行おう。
再定義し、借り直し、組み換え、再培養し、すべてを判断し直す。
その順番はアイデアによって違ってよい。
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