たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
なぜヒトは、「偶然(たまたま)」を「必然(やっぱり)」と勘違いしてしまうのか?
以下の例を間違えてしまった人は、ぜひ読んでみてください。
特に例題2にみられるようなことは日常茶飯事だと思います。
『例題1』
テレビのゲーム番組で、競技者が3つのドアの選択権を与えられるとします。
1つのドアの後ろには車が、残りのドアの後ろにはヤギがいます。
競技者が1つのドアを選択した後、すべてのドアの後ろに何があるかを知っている司会者が、
選ばれなかった2つのドアの内の1つを開けます。
そして競技者にこう言います。
『開いてないもう1つのドアに選択を変えますか?』
選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?
いっけん、かなりばかげた問題のように思える。
選択を変えようがかえまいが、勝つ可能性が半々であることは自明であるように思える。
しかし、実際には選択を変更したほうが得策なのである。
『例題2』
あなたがHIV検査を受けその結果が陽性であったとき、
あなたが本当にHIVである可能性はどれくらいだろうか?
そのHIV検査は、エイズウイルスに感染していないときに
HIV検査で陽性と出るのは1000の血液サンプル中わずか1サンプルであることがわかっている。
そしてあなたと同じ条件(異性愛者で麻薬常習者ではない)男性が
HIVに感染しているのは1万人に1人であることが疫学的調査で分かっているとする。
答えは、11分の10の確率であなたはHIVに感染していない。
1000分の999と思った方はベイズ理論が理解できていない。
多くの医師が同様の誤解をし、患者を無用な混乱に陥らせている。
検査の感度特異度を知ると同時に、その患者が属している集団の有病率、
つまり検査前確率を把握しておく必要がある。
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