2012年4月28日土曜日

たまたま

レナード・ムロディナウ

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する


なぜヒトは、「偶然(たまたま)」を「必然(やっぱり)」と勘違いしてしまうのか?

以下の例を間違えてしまった人は、ぜひ読んでみてください。

特に例題2にみられるようなことは日常茶飯事だと思います。


『例題1』

テレビのゲーム番組で、競技者が3つのドアの選択権を与えられるとします。

1つのドアの後ろには車が、残りのドアの後ろにはヤギがいます。

競技者が1つのドアを選択した後、すべてのドアの後ろに何があるかを知っている司会者が、

選ばれなかった2つのドアの内の1つを開けます。

そして競技者にこう言います。

『開いてないもう1つのドアに選択を変えますか?』

選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?


いっけん、かなりばかげた問題のように思える。

選択を変えようがかえまいが、勝つ可能性が半々であることは自明であるように思える。

しかし、実際には選択を変更したほうが得策なのである。


『例題2』

あなたがHIV検査を受けその結果が陽性であったとき、

あなたが本当にHIVである可能性はどれくらいだろうか?

そのHIV検査は、エイズウイルスに感染していないときに

HIV検査で陽性と出るのは1000の血液サンプル中わずか1サンプルであることがわかっている。

そしてあなたと同じ条件(異性愛者で麻薬常習者ではない)男性が

HIVに感染しているのは1万人に1人であることが疫学的調査で分かっているとする。


答えは、11分の10の確率であなたはHIVに感染していない。

1000分の999と思った方はベイズ理論が理解できていない。

多くの医師が同様の誤解をし、患者を無用な混乱に陥らせている。

検査の感度特異度を知ると同時に、その患者が属している集団の有病率、

つまり検査前確率を把握しておく必要がある。

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