2014年1月15日水曜日

サーバント・リーダー

ジェームズ・ハンター
 
 
 
 
 
 
リーダーシップ関連で、最近、目にすることが多い
 
サーバントリーダーシップからの一冊です。

 

若くして大企業のゼネラルマネージャーになったものの最近仕事が上手くいかず、

また妻とも子供とも、家庭もうまくいかなくなっているジョンが

修道院の修養会に行って、

以前フォーチュン500企業の重役だった伝説的人物レン・ホフマンという修道士に

リーダーシップに関して学んでいきます。

 

ここでも以前紹介した
 
 
以下のようにリーダーシップを定義しています。

 
共通の利益になるとみなされた目標に向かって

熱心に働くよう人々に影響を与える技能

 
  
まずは、『権力』『権威』の違いから入ります。

権力とは、たとえ相手がそうしたがらなくても、
 
地位や力によって、自分の意思どおりのことを強制的にやらせる能力

権威とは、個人の影響力によって、
 
自分の意思どおりのことを誰かに進んでやらせる技能です。

権威がないのに、権力を振るわれることほど不幸なことはありません。

リーダーシップとは、権威をもってなすことができる『技能』であるのです。

 

それでは、権威という技能を身につけるためにはどうしたらいいのでしょうか?

そのためには、相手の欲求ではなくニーズに答える必要があります。

欲求とは単にわがままであり、
 
ニーズとは人間として良い状態にあるため心身が求めるものです。

権威とは、そのニーズに応えるための、『奉仕と犠牲』で成り立つのです。

そして奉仕と犠牲をもたらすためには、
 
確固たる『意思』と愛と呼べるような『行動』が必要になります。

 

つまり、

リーダーシップとは意思から始まる。
 
それは、意図に沿った行動をし、行為を選ぶという人間ならではの能力です。
 
そして、正しい意思があれば愛を選ぶことができる。
 
この愛というのは動詞で、人々の欲求ではなく、
 
正当なニーズを見極めてそれに応えることをさす。
 
人々のニーズに応えるとき、私たちは奉仕し、
 
犠牲を払うことさえ求められる。
 
でも他人に奉仕して犠牲を払うと、
 
わたしたちは権威あるいは影響力を手にする。
 
そうやって人々に対する権威を得たとき、
 
リーダーと呼ばれる権威をも手にする。

 

そのためには、正直で信頼できる、いいお手本である、
 
愛情深い、献身的、話をよく聞く、人に責任を持たせる、
 
敬意をもって人に接する、人を励ます、肯定的で熱心な態度、
 
人の価値を認めるといったことが必要になります。

 

権威を身につけるのに
 
必要な努力や、注意を払い、愛し、
 
人のために尽くすという仕事、新しい技能と行為を学ぶという必要な訓練といったことに関して、
 
そんな努力をする価値が本当にあるのでしょうか?
 
なにせリーダーシップとは、奉仕と犠牲が強いられるのです。

 

しかし、こうしたこと努力して行い、習慣にすることができれば、
 
あなたの人生は実りあるものになるはずです。

リーダーシップという務めと愛は、人格の問題です。
 
忍耐、優しさ、謙遜、無私、敬意、許し、正直、献身。
 
長い時間に耐えうる卓越したリーダーになりたければ、
 
こうした人格の基礎を習慣として身に付け、成熟させなければなりません。

 

リーダーシップとは奉仕と犠牲からなる権威によってもたらされる。

たしかにそうかもしれません。

だからこそ、現在、リーダーになることが多く避けられている気がします。

しかし、年齢と共に多かれ少なかれ、リーダーシップは求められます。

子供を持ち親となったとき、誰でも犠牲と奉仕のもと、
 
リーダーシップを発揮しているはずです。

リーダーシップとは技能なのです。

日々の努力で、身に付けていかなくてはならない技能なのです。