
M.E.ポーター
競争の戦略
ビジネス書の大きな分野の1つに『戦略論』があります。
日本人は欧米人に比較して戦略がないと言うことはよく言われています。
医療に関しても、戦略はあまりなじみがないと思います。
そういった意味では、戦略を学ぶことは、あまり役立たないかもしれません。
しかし、この著者であるM.E.ポーター教授はこの著書の次に、
医療改革を研究し、『医療戦略の本質』を書きあげています。
それをより理解するためにも、戦略論の中でも、
教科書的な存在である本著を読むことをお勧めします。
戦略論にはいくつか種類や流行りがあります。
(1)戦略計画学派
(2)創発戦略学派
(3)ポジショニング・ビュー
(4)経営資源・ベースド・ビュー
(5)ゲーム論的アプローチ
このうち、ポジショニング・ビューは、
あるポジションを占めると儲かるという市場の法則性に基礎をおいて、
個別事業の競争戦略構想や、
選択や集中の決定を進めていく戦略的思考のことで、
その典型のひとつが、ポーター教授の業界の構造分析になります。
産業内における5つの競争要因(競合、新規参入、代替品、買い手、売り手)を
明らかにし、自社に有利に働き、
競争を支配しうるポジショニングを見いだす理論です。
なにか、事を起こそうとしたり、変えようとした時、
だれでもまずは内的要因に目を向けて検討します。
でも、内的要因だけでなく外的要因も重要です。
以下、気になったところの、まとめです。
競争戦略策定のプロセス
A 企業がいまやりつつあるものは何か?
①どんな戦略か?;明示的か暗示的かは問わず、現在の戦略は何か?
②戦略の基礎となっている仮説は何か?;現行の戦略の狙いが理解されるには、
会社の相対的地位、長所と弱点、競争相手、業界の動向についての仮説を明らかにしなければならない
B 企業環境になにがおこりつつあるか?
①業界分析;競争に成功する中心要因および業界での好機と脅威の主要なものは何か?
②競争業者分析;既存および今後予想される競争業者の能力と欠点、
さらに、これら競争業者の今後の行動は何か?
③社会分析;政府、社会、政治からのどんな重要要因が、好機あるいは脅威をもたらすか?
④自社の長所と弱点;業界分析、競争業者分析の結果、
現在および将来の競争業者と対比した場合の、自社の長所と弱点は何か?
C 企業は今後何をしなければならないか?
①仮説と戦略の点検;現行の戦略の基礎となっている仮説が、
上のBでの分析と比較してみて、正しいかどうか?
②どんな戦略がありうるか;上の分析の結果、
今後可能な戦略案としてはどんなものがあるか(現行戦略もそれらの1つなのか)
③ベスト戦略の選択;外部要因である好機と脅威に対して、
内部要因である自社能力を考えて、ベストの戦略案はどれか?
5F(業界構造分析):
競合他社、新規参入業者、代替品、売り手、買い手
3つの基本戦略
コストのリーダーシップ
差別化
集中
業界内部の構造分析後に戦略的に利益機会をとる方法
・新しい戦略グループを作る
・より好ましい状況にある戦略グループに移動する
・現在所属している戦略グループの構造上の地位の強化、グループ内での自社の地位の強化
・新しい戦略グループに移り、そのグループの構造上の地位を強化する
多数乱戦業界の競争戦略
手順1:業界の構造はどうか?競争業者はそれぞれどういう位置にいるか?
手順2:多数乱戦の原因はなにか?
手順3:多数乱戦状態を変えられるか?その方法は?
手順4:変えて利益が得られるか?その場合、自社はどういう位置にいなければならないか?
手順5:多数乱戦が避けられない場合、どう対処するのが最善か?
低コスト、製品差別化、集中の3つの基本戦略を状況に当てはめてみる
付加価値を高める、特定地域に集中するなど