2010年12月20日月曜日
ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則
ジェームズ・C・コリンズ
ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則
以前紹介した、『ビジョナリーカンパニー』は
金メダルの企業と、銀メダルの企業の比較でした。
正直、まずは銀メダルの企業に成長することでも十分でしょう!
そこで、今回は、原題の『good to great』があらわしているように、
平均からちょっといい状態から、卓越した状態になるにはどうしたらいいかに
焦点を当てています。
方法論は前回と一緒です。
飛躍を遂げた11社に対して1万5000時間に及ぶ調査を実施し、
さらにライバル会社との詳細な比較検討を行い、
飛躍を遂げた企業に共通してみられる法則を明らかにします。
以下は要約です。
【1】 第5水準のリーダーシップ
・ 個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さという矛盾した性格を併せ持つ
・ 野心的であるのは確かだが、野心は個人ではなく組織に向けられている
・ 徹底して謙虚であり控え目であり飾らない
・ 熱狂的といえるほど意欲が強く、すぐれた成果を持続させなければ決して満足しない
【2】 最初に人を選び、その後に目標に選ぶ
・ 『誰を選ぶか』をまず決めて、その後に『何をすべきか』を決める
・ 人事の決定に厳格であって冷酷ではない
(最大のボトルネックは、適切な人々を採用し維持する能力である)
・ 人材は最重要の資産ではなく、適切な人材こそが最も重要な資産なのだ
・ 適切な人材なのかは、専門知識、学歴、業務経験より、性格と基礎的能力によって決まる
【3】 厳しい現実を直視する
・ 自分が置かれている現実の中でもっとも厳しい事実を直視する、
真摯に懸命に取り組めば、正しい決定が自明になることが少なくない
・ 上司が意見を聴く機会、そして究極的には真実に耳を傾ける企業文化を作り上げる
・ 上司が真実に耳を傾ける社風をつくる基本的に方法は
(1) 答えではなく、質問によって指導する
(2) 対話と論争を行い、強制はしない
(3) 解剖を行い、非難はしない
(4) 入手した情報を無視できない情報に変える仕組みを作る
・ ストックデールの逆説:どれほど困難にぶつかっても、
最後には必ず勝つという確信を失ってはならない
・ 動機付けに努力するのは時間の無駄、適正な人がバスに乗れば自然と意欲を持っている
・ 厳しい現実を無視するのはやる気をなくなさる行動で特に打撃が大きい
【4】針鼠の概念
・ 三つの円が重なる部分を深く理解し、単純明快な(針鼠の概念)を確立する
・ その際のカギは、自社が世界一になれる部分はどこか、そして同様に重要な点として、
世界一になれない部分はどこかを理解にすることである(世界一になりたい分野ではない)。
針鼠の概念は目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。理解である。
(1)自社が『世界一』になれる部分
(2)『情熱』をもって取り込めるもの
(3)『経済的原動力』になるもの
・ 針鼠の概念を獲得するまでに平均4年かかっている
【5】人でなく、システムを管理する(規律の文化)
・ 偉大な業績を維持するカギは、みずから規律を守り、規律ある行動をとり、
3つの円が重なる部分を熱狂的ともいえるほど重視する人たちが集まる企業文化を作り上げること
・ 適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろせば、組織を窒息させる官僚制度は不要になる
・ 規律のある文化には二面性がある、一方では一貫性のあるシステムを守る人たちが必要で、
他方ではこのシステムの枠組みの中で、自由と責任を与える
・ 内部を詳しく見てみると、極端なほど勤勉で、おどろくほど徹底して仕事に取り組む人たちが大勢いる(コッテージ・チーズを洗う人たち)
・ 偉大な業績を持続させるのにもっとも重要な点は、針鼠の概念を熱狂的ともいえるほど信奉し、
3つの円の重なる部分に入らないものであれば、どんな機会でも見送るほど強い意志を持つことである
・ 『やめるべきこと』のリストは、『やるべきこと』のリストよりも重要である
【6】新技術にふりまわされない
・ 飛躍した企業では技術の流行に乗るのは避けているが、
身長に選んだ分野の技術の利用では先駆者になっている、
決定的な問いは針鼠の概念に直接適合しているかどうか
・ 思慮深く、創造性豊かに対応し、自社の可能性を実現したいとの動機によって行動する
【7】劇的な転換はゆっくりすすむ(弾み車と悪循環)
・ 偉大な企業への飛躍は、外部から見ると劇的で革命的に見えるが、
内部から見れば、生物の成長のような積み重ねの過程だと感じられる
・ 長期間にわたって、一貫性を持たせて一つの方向に押し続けていれば、
弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る
・ 飛躍した企業の内部にいた関係者は、転換の時点ではその規模の大きさに気付かず、
後に振り返ってみてはじめて、大規模な転換であったことに気がつく。
『力の終結』『動機づけ』『変化の管理』にはほとんど力をいれていない
要約終わり
現時点で、印象に残ることは、
一番大事なのは、人!!
その次に、窮鼠の概念!!
確かに、大きな企業であれば、優秀な人材を集めるところからスタートできるでしょう。
でも、中小企業はそうもいかないはずです。
病院だって同じです。
限られた人材で、どう成果を出していくか、
それに悩んでるところが実際には多いはずです。
まずは、goodになる方法を知りたいところです。
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