2010年12月7日火曜日

採用氷河期


原 正紀

採用氷河期;若手人材をどう獲得するか

今年は就職氷河期で、多くの学生さんが苦労しています。

一方、数年前までは、採用氷河期でした。

今年でも、中小企業ではまだまだ採用困難な状況もあるようです。


一方、医療の世界では、特に医師不足を反映して、

多くの医局や病院で相変わらず人材不足です。

いかにして若手人材を獲得するかは必須の課題であります。


どのように、人材を確保していくかについて扱った本は多くなく、

この本はその中でも参考になる一冊といえると思います。


著者の原 正紀さんは、リクルートで長年、

人材採用・教育、キャリア開発に関する事業を行ってみえ、

本著ではそのノウハウが紹介されています。


以下要約

採用力 = 企業力 × 採用マインド × 採用スキル

企業力    =急激な向上は困難、重要なのは現状の魅力の整理と伝達

採用マインド =ビジョンや理念を持ち、組織として共通した一貫性のある採用マインドを持つ


① 採用準備

(採用コンセプト、採用目標、採用スタッフ)

② 採用戦略立案

・ 求める人物像の設定(ペルソナ)
・ 創業期;ビジョン、可能性、人材への期待感  
  成長期;事業戦略、未完の魅力と到達点、期待の大きさと達成感   
  安定期;優位性、安定度、充実度、チームワーク
・ モチベーションの源泉でアピール(P142)
・ 採用体制のポイント;トップ層の取り込み、採用スタッフの選任、採用支援体制

 ⇒ビジョン、魅力を共有。人物像の設定。体制の決定。

③ 情報提供(情報提供ルート、双方性と両面提示)

・ 情報提供ルートを数多く持つ
 (学校ルート、メディアルート(デジタル・アナログ)、
  人ルート、イベントルート、公的ルート)
・ 情報提供のタイミングが重要(就職活動スケジュールを把握)
・ 初期に情報提供することが重要(刷り込み効果)
・ 何を伝えるか(理念・ビジョン、社風、仕事内容、キャリアについて)
・ 人だし

④ 人的接触・会社説明会(接触する社員の意思統一、人のつながり

・ 業界⇒企業⇒事業⇒仕事⇒社員
・ リクルーター
 (情報提供、印象付け(インパクト)、共感性、動機づけ(差別化)、決断促進、フォロー)
・ 説明会(P206)

⑤ 面接・選考

⑥ 内定・フォロー(動機づけを強化、辞退を防止)

・意識ギャップの解消、動機付けの強化、内定辞退の防止、即戦力化


チェックポイント

①⇒採用コンセプトはありきたりでないか、
  採用目標の設定は具体的で実現性があるか、
  採用体制は全社的か

②⇒求める人物像は十分練られているか、訴求するコンテンツに共感性があるか、
  実行戦略は競争力があるか

③⇒情報提供は効果的か、母集団形成は十分か

④⇒協力者の意思統一情報提供は十分か、社内協力者の質量はじゅうぶんか、
  説明会は差別化されているか

⑥⇒内定者とのリレーションは強まっているか、連絡は十分に取っているか

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