ブラック・スワン
サブプライム問題に、東北関東大震災
こうしたブラック・スワンにどう対処したらいいのでしょうか?
「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。
そのことを疑う者など一人もいなかった。
ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。
白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。
「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。
つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。
タレブによれば、「ブラック・スワン」には3つの特徴がある。
1つは予測できないこと。
2つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
そして3つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。
タレブは、人間は不確実性を扱えないことを解き明かします。
つまり、人間が知識をどう扱うかという問題、
そして私たちが実証的証拠よりも逸話のほうを好むという問題を検討します。
具体的には、追認の誤り(まだ目に触れていない一角を不当にも過小評価する)、
講釈の誤り(もっともらしい説明や逸話で自分をごまかす)、
推論を行うときに情緒が入り込むということ、物言わぬ証拠の問題などです。
ばらつきには大きな意味があることを忘れる。
予測期間が長くなれば予測が劣化する予測される変数のランダムな性質を見誤る
そして、こうしたブラックスワンにどう対処したらよいかを教えてくれます。
懐疑的にも悲観的になりすぎて、身動きできなくなってはダメで、
経験主義すぎて懐疑的精神がないこともダメで、
懐疑的、かつ、実証主義である必要があるのです。