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2011年2月10日木曜日

ブルー・オーシャン戦略


W・チャン・キム + レネ・モボルニュ

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する


なにか戦略論の本を1冊勧めるとしたら、本著を薦めます。

わかりやすく、日常にも応用しやすいからです。


レッドオーシャンとは、既知の市場空間を指し、競合他社を打ち負かすために、

既存の需要を引き寄せるために。差別化や低コストのどちらかの戦略を選ぶ

厳しい競争が必要となる市場を指します。

一方、ブルーオーシャンとは未知の市場空間であり、

競争を無意味なものにし、新しい需要を掘り起こし、

差別化と低コストをともに追求することができます。

本著では、競争のない市場空間を切り開き、

ブルーオーシャンを開拓することを勧めます。

最高の戦略は競争せずにすむことということです。


ブルーオーシャンを開拓するためにまずは、

戦略キャンパスを描くことが第1ステップです。

これは実際に具体例を見てもらえばすぐに書き方は理解できます。


次に新しい価値曲線を描くために、

『減らす』『取り除く』『増やす』『付け加える』の4つの

マトリクスを考慮します。


競合他社にない新しい要素を『増やし』『付け加え』、

それに集中するために、既存の要素を『減らし』『取り除く』ことを考えます。


新しい要素を生み出すためには、

① 代替産業に学ぶ

買い手の立場に立って、直観的に代替産業を選ぶ、そしてその時の判断ポイントを考える

② 業界内のほかの戦略グループから学ぶ

価格とパフォーマンスでグループは分けられる、買い手が選ぶ際の判断ポイントは?

③ 買い手グループに目を向ける

購買者、利用者、影響者、いままでにない買い手グループに目を向けようとしてみる

④ 補完財や補完サービスを見渡す

補完サービスを見直し、トータルソーリューションの改善を行う

⑤ 機能志向と感性志向を切り替える

⑥ 将来を見通す

事業に決定的な意味合いを持ち、後戻りしない、はっきりした軌跡を描く

といった視点から分析して考え出します。


その後、ブルーオーシャン戦略を実行するための方法が展開されていきます。


例えば総合病院でも、機能志向から、感性志向に切り替えて展開すれば、

ブルーオーシャンを行けそうな気がします。

ただ、既存のどんな要素を『減らし』『取り除く』かは、

難しいし、一筋縄ではいかなさそうですが。。。

2011年1月19日水曜日

医療戦略の本質


マイケル・E・ポーター

医療戦略の本質-価値を向上させる競争


『病院ランキングってあるけど、評価基準がよくわからないし、

評判ってそもそもどうなの? ランキングと診療レベルって一致するの?』

『患者さんを紹介しようにも、標榜科以外で判断しようがない。

どこがすぐれた診療をしているかなんてわからない』

『いったい自分の診療レベルはどうなの?』


この疑問はどれも、診療レベルがきちんと評価されていないことが原因です。

どうしたら正常な医療の競争がおこなわれるのでしょうか?

その答えを本著が示してくれるはずです。


著者はマイケル・E・ポーター、ハーバードビジネススクールの教授です。

『競争の戦略』の著者で、これは、ビジネス界ではバイブル的な教科書で、

この功績で30代にしてハーバードの教授となっています。

そんなポーター教授が、ここ5-10年、医療業界ではどうして改革がすすまないかを

研究しています。

他の産業では、イノベーションがおこり、大きなコストダウンが起き、

合わせて質の向上もみられるのに、どうして医療では、コストは膨れ上がる一方で

質の向上はたいして見られないかを解き明かします。


それは、医療でも競争は行われているが、

ずばり『競争の種類』を間違っているからであり、

医療を真に改革する唯一の方法は、競争の本質そのものを改革することであるといいます。


そのように医療を転換するためには、

患者にとっての医療の価値を向上させるような 競争を起こすことが必要であり、

医療における価値とは、

『経費1ドルあたりの健康上のアウトカム』であると説明しています。


そして診療実績による競争を行うために、

第1歩は『診療実績を公表する』としています。


考えてみれば、診療実績を出してもおらず、それを評価もしていないことは、

驚愕の事実であるといえます。

どんな治療法がいいか、病院や、学会で喧々諤々の議論を行いながら、

実は、診療実績を出してさえいないのです。

冒頭の疑問の多くも診療実績を出していないことに尽きます。


ただし、患者さんが、診療実績で医療機関を選択することが、

はたして本当に、患者さんにとって幸せなことかと言われれば、

なんとなくそれは違うと思います。

医療とはそういった質のものではないでしょう。

しかし、医師が、医療実績を把握し、

その改善に努力することは少なくとも必要な気がします。


今回は、とても量が多くて、要約できないです!

『個々の医師の取るべき戦略』から、いくつか紹介します。


・診療は、医師にとっての利便性ではなく、

患者にとっての医療の価値に基づいて行われなくてはならない。

・医師の業務は専門性を披露することではなく、病態に対応することである。

医師は、自分がどのような事業にかかわっているかを理解しなくてはならない。

・患者にとっての価値は、特定の病態に対する専門知識、診療経験、

および患者数によって高められる。医師は、すべての診療分野に広く浅くかかわるのではなく、

じぶんがかかわる病態を絞り込み、真に優れた実績を上げなくてはならない。

・医療の価値を最大化できるのは、フリーエージェントとして行動する個人ではなく、

統合型のチームである。医師は、自分がどのチームに属するか、あるいはかかわるかを理解し、

それがチームとして機能するようにしなくてはならない。

・すべての医師は、診療実績に対する説明責任を持たなければならない。

直感や個人的な経験に頼るだけではもはや不十分である

・良好な診療実績を示せない医師に医療を提供する権利はない。

信頼に足る評価ができるようになった時点ですぐに、

診療実績を患者、他の医療提供者、保険者に公開すべきである。

・患者の紹介は診療実績の優劣に基づくべきである。

また、紹介先の医療機関が、

ケアサイクルにかかわる機関全体と情報交換や統合型の診療が行えるかどうかも重要である
。
・すぐれた診療には、電子記録および情報交換、情報供給の能力が不可欠である。

真剣にITを導入しない限り、その実現は難しいだろう。

・すべての医師は、診療実績、診療経験、診療方法及び患者属性の評価を基にした体系的な方法で、

自分自身の医療提供プロセスを向上させる責任を持つべきである。

・医師は、知識の習得や診療のよりよい統合のために、

自分の診療分野において優れた医療提供者との提携や協力を模索しなければならない。

2010年10月31日日曜日

競争の戦略


M.E.ポーター

競争の戦略

ビジネス書の大きな分野の1つに『戦略論』があります。

日本人は欧米人に比較して戦略がないと言うことはよく言われています。

医療に関しても、戦略はあまりなじみがないと思います。

そういった意味では、戦略を学ぶことは、あまり役立たないかもしれません。

しかし、この著者であるM.E.ポーター教授はこの著書の次に、

医療改革を研究し、『医療戦略の本質』を書きあげています。

それをより理解するためにも、戦略論の中でも、

教科書的な存在である本著を読むことをお勧めします。


戦略論にはいくつか種類や流行りがあります。

(1)戦略計画学派

(2)創発戦略学派

(3)ポジショニング・ビュー

(4)経営資源・ベースド・ビュー

(5)ゲーム論的アプローチ

このうち、ポジショニング・ビューは、

あるポジションを占めると儲かるという市場の法則性に基礎をおいて、

個別事業の競争戦略構想や、

選択や集中の決定を進めていく戦略的思考のことで、

その典型のひとつが、ポーター教授の業界の構造分析になります。

産業内における5つの競争要因(競合、新規参入、代替品、買い手、売り手)を

明らかにし、自社に有利に働き、

競争を支配しうるポジショニングを見いだす理論です。


なにか、事を起こそうとしたり、変えようとした時、

だれでもまずは内的要因に目を向けて検討します。

でも、内的要因だけでなく外的要因も重要です。

以下、気になったところの、まとめです。


競争戦略策定のプロセス

A 企業がいまやりつつあるものは何か?

①どんな戦略か?;明示的か暗示的かは問わず、現在の戦略は何か?

②戦略の基礎となっている仮説は何か?;現行の戦略の狙いが理解されるには、

会社の相対的地位、長所と弱点、競争相手、業界の動向についての仮説を明らかにしなければならない


B 企業環境になにがおこりつつあるか?

①業界分析;競争に成功する中心要因および業界での好機と脅威の主要なものは何か?

②競争業者分析;既存および今後予想される競争業者の能力と欠点、

さらに、これら競争業者の今後の行動は何か?

③社会分析;政府、社会、政治からのどんな重要要因が、好機あるいは脅威をもたらすか?

④自社の長所と弱点;業界分析、競争業者分析の結果、

現在および将来の競争業者と対比した場合の、自社の長所と弱点は何か?


C 企業は今後何をしなければならないか?

①仮説と戦略の点検;現行の戦略の基礎となっている仮説が、

上のBでの分析と比較してみて、正しいかどうか?

②どんな戦略がありうるか;上の分析の結果、

今後可能な戦略案としてはどんなものがあるか(現行戦略もそれらの1つなのか)

③ベスト戦略の選択;外部要因である好機と脅威に対して、

内部要因である自社能力を考えて、ベストの戦略案はどれか?


5F(業界構造分析):

競合他社、新規参入業者、代替品、売り手、買い手


3つの基本戦略

コストのリーダーシップ

差別化

集中


業界内部の構造分析後に戦略的に利益機会をとる方法

・新しい戦略グループを作る

・より好ましい状況にある戦略グループに移動する

・現在所属している戦略グループの構造上の地位の強化、グループ内での自社の地位の強化

・新しい戦略グループに移り、そのグループの構造上の地位を強化する


多数乱戦業界の競争戦略

手順1:業界の構造はどうか?競争業者はそれぞれどういう位置にいるか?

手順2:多数乱戦の原因はなにか?

手順3:多数乱戦状態を変えられるか?その方法は?

手順4:変えて利益が得られるか?その場合、自社はどういう位置にいなければならないか?

手順5:多数乱戦が避けられない場合、どう対処するのが最善か?

低コスト、製品差別化、集中の3つの基本戦略を状況に当てはめてみる

付加価値を高める、特定地域に集中するなど