2011年6月3日金曜日

ピープル・スキル


ロバート ボルトン

ピープル・スキル


発売から30年、いまだ全米で年間2万部を売りつづける超ロングセラー名著です。

人間関係を壊すコミュニケーション上の「12の障壁」とはなにか?

それらをなくし、人とうまくつきあうための具体的な方法が、

豊富な「失敗例」「成功例」とともに示されます。


対人関係には、3つのスキルがあります。

『傾聴スキル』、『自己主張スキル』、『対立解消スキル』

この中でも、重要なのが、傾聴スキルと考えられます。

そしてこの3つのスキルは、患者さんとのコミュニケーションに必要なスキルで、

多くの医師は自然と身についているスキルであると思います。


普通の人が起きているときに1番時間を使うのがリスニングです。

様々な職業分野の人を調査した結果、

目覚めているときの70%はコミュニケーションに費やされているという事実が分かりました。

そのうち、書くことが9%、読むことに16%、話すことに30%、

そして聞くことに45%の時間を割いていたということです。

また、人間のコミュニケーションの85%が非言語的なものだと推定されています。

そのため、向き合うことも重要です。


リスニングスキルの3つのスキル

(1) 向き合いスキル

① 真剣な態度を見せる

② 適切な動作(ジェスチャー)を示す

③ 視線を合わせる

④ 集中できる環境を作る

(2) 促しスキル

① ドアオープナー(話のきっかけ)を与える

② 最小限の刺激を与える(たとえばあいづち)

③ 質問を減らす

④ 相手に気を配りながら沈黙する

(3) 反映スキル

① 相手の話の内容に焦点を当てて『言い換えを行う』

② 『感情をくみとり応答に反映させる』

③ 感情と話の内容を関連づけて『真意をくみとり応答に反映させる』

④ 『相手の話を要約する』


自己主張のスキル

(1)相手の問題行動を客観的に説明する

(2)自分にどういう影響があるかを具体的に述べる

(3)自分の感情をはっきり表現する


対立解消のスキル

対立が生じたときは、まずは感情的な問題を重点的に処理すべき

① 敬意をもって相手に接する

② 相手が満足するまで話を傾聴し、それを自分の言葉で言いかえる

③ 自分の意見を簡潔に述べる


自己主張と、対立解消のスキルは、傾聴スキルの延長といえ、

結局は、相手を批判しないで、傾聴を重視しながら、

対話を繰り返す、ということなのだと思います。


いくら正しい診断、正しい治療を行なっても、

患者さんの話を傾聴し、共感しないと、

満足してもらえないし、良好な関係は築けません。

でも、、、分かっているけど、傾聴ってパワーが要りますよね。

思わず患者さんの話を途中で中断したくなってしまったら、

この本の内容を思い出して、ぐっと我慢です。




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