2010年10月2日土曜日

静かなリーダーシップ


ジョセフ・L・バダラッコ

静かなリーダーシップ


リーダーシップの方法論にはいくつもあります。

前回、最前線のリーダーシップで紹介した内容は、

比較的典型的な、リーダーシップの方法であったと思います。

今回紹介する内容は、よくあるリーダー像とは異なります。

しかし、現実的にはこういった状況を経験することの方が多い気がします。


以下抜粋

どのような分野にでも、偉大な人物、リーダー、ヒーローはいる。
大企業を築きあげた人物や変革した人、社会を変革する政治的なリーダー、
自分の命を危険にさらして他人を救おうとする消防士。。。
このような人物は皆、見習うべき見本として讃えられ、
リーダーシップを本当に実践している人々だと考えられている。

だが本当にそうだろうか?
私は経営とリーダーシップの研究を仕事としてきたが、ほとんどの場合、
最も実践的なリーダーは大衆のヒーローではなかった。
真のリーダーとは、忍耐強くて慎重で、一歩一歩行動する人、
犠牲を出さずに、自分の組織、周りの人々、
自分にとって正しいと思われることを、
目立たず実践している人だった。

わたしはいつしかこのような人を『静かなリーダー』と呼ぶようになった。

抜粋終わり


以下は、具体的な方法論の要約です。

『静かなリーダーシップ』

自分の価値観に基づいていきながら、

自分のキャリアや評判を危険にさらすことなく、

困難で深刻な問題を引き受けた人々に、

有益で実践的な発想を提供する


(1) 現実を直視する

すべてを知ることはできない(現実的になること、自分の理解を過大評価しない)

予想外の事態がある(計画に頼るが、計画を信頼はしない)

インサイダーに目を光らせる

信頼しても切り札は残しておく


(2) さまざまな動機を見直す

複雑でさまざまな動機が成功の鍵となる(健全な利己主義な感覚が必要)

動機が複雑なのは状況を本当に理解していると言うこと

行動の方向性を設定⇒自分が不適格だと考えない

⇒自分自身と自分の動機を信じる⇒自分にとってその問題が本当に重要かどうかを確認する


(3) 時間を稼ぐ

何とかして時間を稼ぐ方法を考える


(4) 賢く影響力を活用する

自分の影響力を危険にさらす前に、その、リスクと見返りをよく考える


(5) 具体的に考える

複雑な問題に直面すると、忍耐強さと粘り強さを持って、

自分が何を知っているのか、何を学ぶ必要があるか、誰からの支援が必要かを考える

物事が複雑でも職責は忘れない、とにかく良く考える、一人でしない、

時には時間を稼ぎ適切な人間に対処させる


(6) 規則を拡大解釈する

想像力と創造性を駆使して規則を拡大解釈する方法を探す

規則を真剣に考えながら、解釈の余地を探す


(7) 少しずつ行動範囲を広げる


(8) 妥協策を考える

忍耐強く、実践的に重要な価値観を守り、具体化する

妥協を考えることは、実践的な知識を習得して実行に移すことである

倫理観までも売り渡すような妥協に直面したときは断固反対することもある

大きな目標を達成するために基本的な倫理観をいくつか犠牲にすることもある


(9) 最後に重要な性格

多くの場合前提条件として自制心が必要である

謙遜する

粘り強く行う


ずいぶんと、現実的で、地味で、慎重であり、

それはヒーローとは大きくかけ離れた姿ですが、

現実の社会で、確実に実績を残していく人は、

こういった人たちのような気もします。

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