2011年11月11日金曜日
人を伸ばす力―内発と自律のすすめ
エドワード・L. デシ, リチャード フラスト
人を伸ばす力―内発と自律のすすめ
『モチベーション3.0』ではモチベーション3.0とは、内発的動機づけであり、
その重要な3つの要素は『自律性』『マスタリー』『目標』でした。
本書では、内発的動機づけの源として
『自律性への欲求』『有能さへの欲求』『関係性への欲求』をあげ
特に自律性を重要視しています。
自律性はどうやったら伸ばすことができるのか?
誰もやりたがらない仕事はどうやったら自律的に行えるようになるのか?
という疑問をもって、読んでみました。
(以下要約)
内発的動機づけ=『自ら学ぶ・やる意欲』
外から圧力をかけられることなく、自ら偽りのない気持ちに基づいて学んだり仕事をしようとする意欲
内発的動機づけの源
『自律性への欲求』『有能さへの欲求』『関係性への欲求』
内発的動機づけは自律的でありたい(自己決定したい)、有能でありたい、周囲の人と暖かい人間関係を持ちたい持っていたい、という気持ちに支えられているといえる。
行動と結果を結び付ける仕組みが出発点となる。
望ましい結果をどうやって達成したらよいかが理解されなければならない。
また、その手段的活動に対して有能感を感じることである。
さらに、内発的動機づけは人の自律性を支えるような対人的な文脈において促進される。
このような重要な構成要素が揃うことによって、人は自分自身の目標を設定し、自ら自己評価の基準を定め、自己の成長をチェックし、目標を達成するだろう。
(誰もやりたがらない仕事をどうやったら自立的に行えるようになるかについて)
たいていの活動は、けっしておもしろいものではない。
だが社会のなかできちんと役割を果たしていけるようになるためには重要なことである。
こうした方法には取り入れと統合のふたつがある。
取り入れは単にそのルールを取り入れただけで、真に自律的に行動することの基盤にはならない。
統合とは、ルールをよく噛み砕いて消化することであり、内在化されることで、こうした規範はあなた自身のひとつとなり、こうした統合を通じて、人は重要ではあるが少しも面白くない活動を自ら行えるようになる。
統合を促進するためには、第一に合理的な理由を与えることが必要であり、第二に本人はやりたくないと思っているかもしれないことを認めあげること、第三に圧力を最小限にしか含まないことが重要である。すなわち、理由付け、承認、および選択である。
社会化の過程では嫌なこともしなければならないが、その場合には、いやなことが本当に自分のものになるように(すなわち、内在化され自己に統合されるように)暖かく支援することが重要であること、子供たちに適切な行動を行わせようとする時には、愛情をその行動に随伴させるのではなく(その行動ができるようになることだけに愛情を注ぐのではなく)、すべての行動に愛情をそそぐことが重要である。
(どうやったら自律性をのばせるか?)
選択の機会を提供すること、それは広い意味で、人の自律性を支えるための主要な条件である。
したがって、他者に対して権力を持つ立場にいる人は、どのようにしたらより多くの選択を提供できるかについて検討する必要がある。
ポイントは、意味のある選択が自律性を育むという点にある
。
人は、自ら選択することによって自分自身の行為の根拠を十分に意味付けることができ、納得して活動に取り組むことができる。
同時に自由意思の感覚を感じることができ、疎外の感覚が減少する。
しかも、もし選択の機会が提供されるならば、人々は自分がひとりの人間として扱われていると感じる。
このように、選択の機会を提供することによって、問題をうまく解決することができるのである。
(患者さんの自律性を援助するには?)
医療でパートナーシップを築くことは、医者が自律性を支援し患者の視点をとることを意味する。
したがって、自律性支援的か統制的かといった医者の患者に対する態度が、患者の動機づけや健康に及ぼす影響についての我々の研究は、生物心理社会的アプローチが健康な行動の変化を促進するということを示唆している。
(1) 他者の視点をとり
(2) 他者の気持を認め
(3) 情報を提供し
(4) 示唆や要求に理論的根拠を与え
(5) 選択肢を提案し
(6) 支配的なことばや態度の行使を最小限におさえる
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